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モーツァルト音律療法2――聴覚セラピー・心身を癒す[音]世界  (2019年9月新刊) 

  篠原 佳年 著



  ■POD書籍:快癒塾発行: \1,600 (消費税別)/(A5判202頁 ISBN978-4-910056-04-3)
   2019年9月30日初版発行 →アマゾンでの購入はこちら
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  ■電子書籍:知玄舎電子書籍で同時発売

 ◎本書について
  モーツァルトを聞けば心も体も健康になり人生を豊かにする『モーツァルト音律療法』シリーズ2冊目。

 
モーツァルトを聞けば、心も体も健康になり人生を豊かにする論理を紹介した『モーツァルト音律療法1』に基づき[音]セラピーを実践したシリーズ2冊目。日本においてトマティス博士が開発した聴覚改善システムによる詳細な臨床記録から見えてくる、聴覚と心、そして体の緊密な相関関係には、症例が多くはないとはいえ、たいへんに興味深い研究成果。心の変化を判断するために、絵を用いることによって視覚的に客観的にその内面の変化を見て取ることができるところなど、このセラピーの優れた側面がよくわかる。また、トマティス博士のシステムの核心部分、8000ヘルツの音律で聴覚がほんとうに胎内時にまで遡り、リセットされるかということが、セラピーとして具体的にどのように行われ、どのようにそれが見て取れるかという深層まで記録された内容は貴重。聴覚は、単なる耳の聞こえ方の違いで過ごせる問題ではなく、心の深層と人間関係、体の問題、そして人生の問題にまで影響する、奥の深いテーマであることを思い知らされる書である。本書の臨床はまだまだ入口に過ぎないが、トマティス博士が追究して開発した聴覚改善システムの着想と可能性のすごさが垣間見える『モーツァルト音律療法』の2冊目。

◇底本:奇跡の[聴覚セラピー]――こころとからだを癒す[音]世界、PHP研究所、1999年6月25日第1刷、ISBN 978-4-569-60604-0


著者紹介
篠原 佳年(しのはら よしとし)
 1950年大分県生まれ。徳島県池田町で育つ。岡山大学医学部大学院卒業後、岡山大学部第三内科を経て、現在、医療法人わいわい・クリニック理事長、医学博士。膠原病(主に関節リウマチ)及びアトピー性皮膚炎を中心に治療を行う傍ら、聴覚・栄養療法による様々な病気や障害を治す研究にもとづき、患者が参加する医療を提案。また人間としての気づきやコミュニケーション改善のための講演やセミナーなどの活動を展開している。
 主な著書に、『快癒力』(サンマーク出版)、『幸福力』『奇跡の聴覚セラピー』(PHP研究所)、『人生50歳脱皮論』(講談社)、『いつでも、今がいちばん幸福』(竹内書店新社)、『生死同源』(幻冬舎)、『意識の扉をあけて』(七賢出版)、『病気を治すのはあなた自身』(日新報道)、『病気を治すのは自意識力』『治る人』(青龍社)、『サバイバルモードから抜け出す方法』(ビジネス社)、『治癒力創造』『モーツァルトを聴くだけでみるみる元気になる!若返る!』(主婦の友社)、『絶対成功力』『モーツァルト療法』『絶対モーツァルト法』『愛のモーツァルト法』(マガジンハウス)、『モーツァルトを聴くと超健康になる』『不眠が治る「魔法の音」CDブック』(マキノ出版)、『奇跡の音8000㎐英語聴覚セラピー』『できる人は右耳を使っている』(きこ書房)、『モーツァルトCDブック』(シリーズ、主婦の友社)、『魔法のくすり箱』『ファンタジックゴルフ』(コボリ出版)、『モーツァルトセラピー』『アトピー最新医療』『リウマチが治った 寛解症例続々』(知玄舎)など多数。

 
目次

 まえがき――『モーツァルト療法』の反響
第一章 自閉症は「耳」閉症
◎私は背中に、背負えるだけの荷物を背負うことになった
◎耳のトレーニングは医療に応用できる?
◎アタマが悪いのではなく、ただ「耳」が悪かっただけだった
◎聴力はトレーニングすることができる
◎耳はトレーニングでどのようにでも鍛えることができる
◎耳という感覚器官は、やり直すことができる
◎自閉症は「耳」閉症だった
◎胎児や乳児の社会への入口は耳だった
◎自閉症の耳は、聞こえても聴かない
◎これまで、トラウマを治すには心理療法が一般的だった
◎トラウマは記憶に根を降ろしている
◎米国で始まったスリーインワン・キネシオロジーは筋肉反応で無意識とアクセスする
◎トラウマの原因が永遠に見つからなくなることもある
◎耳だけをリラックスさせて胎内回帰する方法があった
第二章 トマティスセラピー:心のタイムトラベル
◎フィルター通過音は水中聴覚に関係があった
◎Aさんのケース
【第一の絵=トレーニングの最初】
【オーディオグラム=初期段階】
【第二の絵=八〇〇〇ヘルツの世界の絵】
【オーディオグラム=中間段階/前出図中】
【第三の絵=誕生】
【第四の絵=誕生後】
【オーディオグラム=最終段階】
◎Bさんのケース
【第一の絵=トレーニングの最初】
【オーディオグラム=最初】
【第二の絵=八〇〇〇ヘルツの世界の絵】
【オーディオグラム=中間段階】
【第三の絵=誕生】
【第四の絵=誕生後】
【オーディオグラム=最終段階】
◎Cさんのケース
【第一の絵=トレーニングの最初】
【オーディオグラム=初期段階】
【第二の絵=フィルター開始時の絵】
【オーディオグラム=中間段階】
【第三の絵=誕生】
【第四の絵=誕生後】
【オーディオグラム=最終段階】
◎Dさんのケース
【第一の絵=トレーニングの最初】
【オーディオグラム=最初】
【第二の絵=フィルター開始前の通常音の絵】
【第三の絵=フィルター開始後の絵】
【第四の絵=八〇〇〇ヘルツの世界の絵】
【オーディオグラム=中間段階】
【第五の絵=誕生前】
【第六の絵=誕生】
【オーディオグラム=最終段階】
◎実際のトマティスセラピーではこんな症例がある
◎耳が生まれ変わると人生も生まれ変わることができる
第三章 トマティスセラピーとイルカ療法
◎イルカは自閉症の子供を治す
◎胎児は水中聴覚で聞いている
◎イルカは、超音波でコミュニケーションをしている?
◎イルカの脳は人間に比較して劣っていない
◎耳をトレーニングすると、胎内とイルカのイメージが現れる
◎八〇〇〇ヘルツ超の高音域は胎内回帰の音だった
◎イルカの鳴き声は、胎内で聞いた母の骨導音によく似ている?
第四章 トマティス博士と「トマティスセラピー」
◎トマティス博士は音楽を愛する耳鼻咽喉科の医者だった
◎「フリップフロップ」はカルーゾの歌い方に秘密があった
◎「r」と「l」を発音できないベニスの歌手をたちまち治した
◎民族の耳には四つの要素があった
【パスバンド】
【包絡線「エスノグラム」】
【反応時間(遅滞)】
【プリセッション】
◎スペイン語にはただ会話をすることによって親しんでいった
◎電子耳はベテランの通訳者を翻弄した
◎プロの音楽家は音のストレスを背負っていた
◎トマティスセラピーがショパンの謎を解きあかした
◎ヴァレリーに無縁なはずの人々を、電子耳が夢中にさせた
◎フランスの英語教育でみごとに効果を実証した
◎こころの医療の分野にも、その可能性が見つかった
第五章 トマティスセラピーの効果
◎それは聴力・聴覚を根こそぎ改善してしまう
◎ヘッドフォンの音を聴いているだけだから眠っていてもよい
【骨導ヘッドフォン】
【耳だけの胎内回帰】
【耳のリニューアル】
◎音のパノラマ体験で、耳そのものが大変身する
◎トマティスセラピーでこんなスゴイ効果が期待できる
◎トマティス理論のポイントには三つある
【一、人は聴こえている音しかしゃべれない・歌えない】
【二、高周波音は脳を活性化する働きがある】
【三、耳のストレスで体のストレスが分かる】
◎難聴の程度を調べる耳鼻咽喉科の聴力検査
◎検査の趣旨も目的も異なるリスニングテスト
◎トマティスセラピーのリスニングテストは、八項目もある
◎トマティスセラピーのオーディオグラム(聴力曲線)の見方
【理想曲線=音楽曲線】
【右肩あがりタイプ=知性曲線】
【右肩下がりタイプ=行動曲線】
【カマボコ型タイプ=人情曲線】
【フラットタイプ=無個性曲線】
◎耳の自己診断をしてみれば必要性がわかる
◎耳でストレスもトラウマも心理状態も分かる
◎耳で運動能力や健康度、仕事の向き不向きまで分かる
【低周波音域(一二五~一〇〇〇ヘルツ)】
【中周波音域(一〇〇〇~三〇〇〇ヘルツ)】
【高周波音域(三〇〇〇~八〇〇〇ヘルツ)】
◎耳で個人と社会とのコミュニケーションの状態までが分かる
第六章 二十一世紀は「耳の時代」
◎こころにもインターネットの世界があった
◎自分自身にアクセスするのは誰にもできることではなかった
◎耳が変わると「こころ」も変わる
◎耳が変わると「身体」も「ことば」も変わる
◎耳の気づきが、自分自身とアクセスするきっかけだった
◎高周波のエネルギー・シャワーが難聴を、右利き耳が吃音を改善する
◎モーツァルト音律療法が、ほんもののリラクゼーションを生む
◎巨匠といわれたプロの音楽家が、いち早くその恩恵を受けていた
◎トマティスベビー=胎児はおなかの中で母の声を聞いている
◎トマティスキッズ=耳の教育システムを提案したい
◎集中力を養い学習力を高める効果は、受験勉強にも応用できる
◎耳がよくなると、スポーツ能力もアップする
◎老化は耳のトレーニングで防止することができる
◎カーブは心身のバランスをとりもどす究極の若返り法であった
 あとがき



 まえがき――『モーツァルト療法』の反響
 
 
 モーツァルトは音楽の天才として世界中に知られています。モーツァルトの音楽が愛されているのは、ヨーロッパだけではもちろんありません。アメリカ大陸や東洋圏、アフリカ大陸や中東、ユーラシア大陸まではばひろく知られ、しかもたくさんの人々に愛されています。もちろん日本にもたくさんの熱狂的な愛好家がいます。
 モーツァルトがこれほど世界中の人々に受け入れられているということは、なんだかとてもあたりまえのような気がします。とくに日本では、西洋音楽はロックもポップスもクラシックも、最先端のものが入ってきますので、モーツァルトもバッハもベートーベンも、またワーグナーやマーラー、ブルックナー、プッチーニなどもすこぶる人気があります。
 しかしこんな日本のような状況は、世界中のどこでもあるわけではないようです。
 本書で紹介するトマティスセラピーを作った、フランス人のアルフレッド・トマティス博士は、モーツァルトの音楽を栄養源に育ったというほど音と音楽を知り抜いた耳の研究家ですが、博士が世界中をまわって気がついたことは、世界のどこにいっても受け入れられ愛される音楽はモーツァルトだったといっています。
 博士の研究により、モーツァルトの音楽は、頭脳や自律神経を活性化させるエネルギーそのものだということがわかりました。人間はだれでもモーツァルトの音楽を聞いていると、こころもからだもストレスが抜けて、元気がもりもり湧いてくるのだそうです。それは、世界中のどのような人にも普遍的に作用するといいます。こんな特別な音楽は、モーツァルトだけだというのです。それでトマティス博士は、トマティスセラピーとしてモーツァルトの音楽に特別な工夫をして、聴力・聴覚のリハビリとトレーニングに応用しているのです。
 トマティスセラピーは、これまで語学学習効果をアップするすぐれた教育システムとして知られてきましたが、私はこのシステムに、これまでのたくさんの心理療法に勝る可能性を直感し、一九九八年十一月にはそのことをテーマにした『モーツァルト療法』(マガジンハウス刊)を出版して、耳がどれほど重要な人間そのものの鍵を握っているかをご紹介しました。
 モーツァルトは驚くべき聴力・聴覚を備えた完璧な耳を持っていただろうといわれます。それがどういう耳であったかは、先の拙著で詳しくふれました。このような天才の耳がとらえた音楽は、宇宙の調和にあふれたメロディーとリズムをふんだんに含んでいたのです。いわばモーツァルトの音楽は、音の栄養源であり、音のクスリだったのです。
 それ以来、たくさんの方々から、モーツァルトの音律療法であるトマティスセラピーについて、もっと詳しく知りたいというご要望をいただきました。それで本書を執筆することにしたのです。
 トマティスセラピーは、聴覚のリハビリとクリエーションを行う画期的な方法です。これまで主に膠原病という難病中の難病に関わってきた医師の私が、たくさんの療法を探し求めた中から見つけ出した、きわめてすぐれた耳と音の療法です。
 トマティスセラピーは、からだの病気で悩んでいる人にも、こころが塞いで悩んでいる人にも、かけがえのない人生の出会いをもたらしてくれるでしょう。
 いったい誰と出会えるのか?
 それは、かけがえのない、あなた自身です。
 私たちは、あまりに周囲に気を使いすぎて、あまりに健康に神経質になりすぎて、あまりに過去にこだわりすぎて、不安に陥っています。どうしてもっとたいせつな、もっともあなたのそばにいる存在に気づくことがないのでしょうか。
 あなたが、いま一番いたわってやらなければならない存在が、いまここにいるのです。いつもあなたに語りかけているその声を、あなたは聴こうとはしません。それはあなたの耳が閉じているからです。どのようにあなたの耳が閉じているのか、それはあなたがトマティスセラピーでトレーニングしたときに明らかになります。
 耳がリフレッシュしたとき、あなたは、あなた自身の魂の声を聴くことができるでしょう。そしてそのとき、からだの悩みからもこころの悩みからも解放された、いのちがいっぱいに満ちた自分自身に気づくことでしょう。
 では、モーツァルトの音律療法・トマティスセラピーをご紹介することにします。
 
   平成十一年二月
 

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